謎のモデル

写真00 さてこの箱には何の拳銃が入っているのでしょう?なーんて言っても表題にすでに書いてありますように S&W No.1 の文鎮モデルです。写真の安っぽい段ボールに貼った高級写真は下記から落としました。むかしは高級ガンだったのでしょう。素晴らしい箱に入っています。データは、そのうち消されるでしょうから下記写真は保存をお勧めします。


写真01 このモデル1 拳銃は、坂本龍馬が新婚旅行に持って行ったのかもしれない銃です。

マルシンがモデルガン化しているNo.2 アーミーの方は、有名ですが、こちらのモデル1も持っていたかもしれないのです。 もしくは護身用に新たに購入したものかもしれません。


写真02 CMC のチーフと並べていますが、すごく小さな銃です。こんなんで戦えるかい?って思ってしまいますが、当時は 22口径でも拳銃というだけで護身用にはなったようです。
事実アメリカでも認められてたくさん売れています。

外 観

写真03 写真04 写真05

一枚目写真のようにトップのネジが一つ外れています。7連発ですが前から見てもよく分かりません。 この文鎮モデルは、すごく良く出来ていましてまるで動きそうですが、実際には動きません。接着剤で貼り合わせて組み立てているようです。


パテント

ウエッソンさんは、お兄さんがかつて作ったリボルバーをサミュエル・コルト氏に裁判で製造中止に追い込まれたので パテントには注意を払い、コルトの特許が切れてから売り出そうとしていた新型拳銃ですが、かつてコルトにいた ホワイトさんが貫通シリンダーの特許を持っている事が分かり、彼にパテント使用料を払うことで販売にこぎつけました。 そうして盟友スミスさんと2度目のS&W 社を立ち上げ、歴史に残る一歩を歩み始めます。

いっぽうコルト氏は、この銃が世間に認められているころ病気で亡くなっています。まさに歴史の一ページがめくられました。 コルトのページがいったん終わり、新たにS&W のページが始まりました。

写真32 右写真はモデル 1-1/2 のバレル刻印ですが、関係パテントを下記に挙げておきます。バレルにあるものは黄色の背景です。

年月パテント番号参考図備考
Feb.14,1854us10535参考図ボルカニック銃
Apr.3,1855us12648参考図ローリンホワイト
July.5,1859us24666参考図S&W No.1
Apr.17,1860us27933参考図S&W No.1
Nov.21,1865us51092参考図S&W No.1-1/2
Apr.9,1889us401087参考図S&W No.3

ホーレス・スミスさんは1874年に引退したのでNo,3 リボルバーの特許には登場していません。 詳しく見たい方は、上記のパテント番号を下記Google Patents ページにて検索してみてください。

https://patents.google.com/


メ カ?

写真08 写真06

文鎮モデルなのにメカって変な話ですが、このモデルはハンマーが少し動くのです。中にバネが仕掛けられていて 指で動かすことが出来ます。左のアドベンさんのカタログ写真の左下にある錫製SW−1が当モデルだと思うのですが、 その写真ではハンマー形状やラッチなど動くモデルガンパーツのように良く出来ています。この文鎮は実銃を参考にして 造られているのかもしれません。パーツ形状が素晴らしいですね、頑張れば動くようにできるのかもしれません。


カタログ

写真07 写真09

アドベンさんは、30年間の活動を引退なさるそうです。永いことマニアのために有難うございました。 むかし大阪のショットショーで黒い文鎮をたくさん並べて売っていた姿を思い出します。 「文鎮だから黒くていいんだよ」と、言っていまして、大阪はおおようだなぁ・・と思いましたが、当然法的には良いことは無くって 金属製であれば文鎮でも黄色または白に塗らないといけません。ザンネンですが。


材 質

写真10 ホワイトメタル製だということですが、バレルやシリンダーに柔らかさは感じられませんが、シリンダストップは 指で簡単にくにゃッと曲がります。すぐに戻せますが・・。

実物でもハンマーが起きるときにシリンダストップを持ち上げるようにできているんでしょうね。


マルシンNo.2 と比較

写真11 写真12 写真13

実銃の世界ではモデル1から4年後に口径を.32と大きくして新型No,2 アーミーモデルが発売されました。 そのモデルは、高杉晋作が購入して坂本龍馬に挙げたようで実際に寺田屋で使用して日本でも有名になりました。 のちにマルシンさんがプラスチックでモデルガン化しています。当初は発火式でしたが、ここにあるものは ダミーカート仕様です。最近購入した組み立てキットですが、ブラックスチールというのか、きれいな黒色で パーティングラインなども初めから処理されていて、なかなか良いキットでした。


写真14 写真15 写真16

No.1 とNo.2 は全く同じ構造だということが良く分かります。チップアップと、言って上に銃身を跳ね上げます。 撃った後はバレルにあるエジェクターロッドにシリンダーを差し込んで排莢しました。

実銃ではNo.2 の9年後にトップブレイクというフレーム上端が開く形式のNo.3 が発明されました。 上の写真に登場のN0.3 はスペイン・デニックスのモデルガンです。一番右の写真は大きさ参考にCMC のM29 と並べています。


参考書籍

写真17 写真18 写真19

No.1 モデルに尋常ではないこだわりを持っている方が書いた書籍です。自費出版のようでページの紙の品質は イマイチですが、珍しい写真の数々に圧倒されます。一番右の写真の目次のようにファースト・イシューだけで 6個もバリエーション違いを挙げているほどの情報量です。すごい研究家です。真ん中の写真のように 最初の製品はラチェット部分が別パーツだったんですね、初めて見ました。


写真20 写真21

私はペイパルで支払って2週間くらいして届いたかな?途中電話番号を記載してくれとのメール交信はありましたが 無事購入出来ました。


22ショート

写真22 写真23

スミスさんとウェッソンさんの共同開発による世界初の金属製リムファイア・カートリッジは、小さいながら 登場から150年以上経った今でも現役で使用されています。

写真の左で比較用に並べているケースが長くなった改良型の22ロングライフル弾が、最もメジャーではありますが 短い 22ショート も現役の弾です。


実銃について

写真24 実銃の世界では、S&W さんは意欲的にバージョンアップを重ねます。No.1 ファーストイシューからセカンドで ボディが平らになりサイドプレートも大きくなります。サードイシューではグリップがバーズヘッドになり シリンダーにフルートが入ります。 また、大口径で6連発のNo.2 が登場し、その後No.1 のコンパクトさとNo.2 の大口径を望む声からモデル1- 1/2 が誕生しました。 装弾数を5連発とし、バレル長も短くしNo.2 よりかなりコンパクトになっています。

高杉 や 坂本龍馬

坂本龍馬が寺田屋でNo.2 アーミーを使用したのは間違いないようです。6連発ですが当時の常識で、安全のため 5発しか 装填していなくてハンマーをカラのチャンバーに落として持ち運びます。その後、No.2 アーミーは紛失しましたが、傷をいやすのに 行った新婚旅行には、No.1 拳銃を持って行って夫婦で撃って遊んだようです。 人によってはNo.1-1/2 を持って行ったとネットに書いています。私は元資料を見たことが無いので判断できませんが、 1−1/2 モデルは1865年に発売されていますので、1866年に龍馬がこの最新型を入手できたのか、やや疑わしいと思っています。

まぁ、その理論からすると高杉が中国に行ったのは、1862年なので最新式のモデル2ではなく、モデル1を買って、それが龍馬に渡ったとも考えられますね。


各製品時系列表

年代モデル口径生産数備 考
1857Model 1 _1st22、7連発12,000 参考写真
1860Model 1 _2nd22、7連発110,000 参考写真
1861Model No.2 Army32、6連発77,020 参考写真
1865Model 1- 1/232、5連発223,000 参考写真
1868Model 1 _3rd22、7連発131,000 参考写真
1870Model 344、6連発たくさん トップブレイク

内容はwikipedia より引用。


1-1/2 を持っていた?
龍馬の遺品・追記です

写真27 上のような考察を書いて元資料は無いものかとネットをうろついていましたら、「 雋傑坂本龍馬(昭和 2年)銅像建設会 」 の書籍に遺品の写真がある事が分かり、国会図書館で見てみました。 ↑のページで右上の「すぐに読む」を押すとブラウザ で中身が見られます。20ページ目に遺品の写真が登場します。
写真28 この写真を見ると、明らかにモデル1 1/2 ですね、長いシリンダー、フレームに上から被さるグリップ、どう見てもモデル 1では ありません。最新型も龍馬は手に入れられたんですね。右写真では、ツバの標準サイズが80mmだそうなので バレル長を考察してみました。3.5インチがメジャーな長さだそうですが、写真の縮尺が合っているのならば4インチモデルのように 見えます。

再びの追記です

写真29 モデル1 1/2 の3.5インチ銃身だというオークション写真を見つけましたので、上下に拡大縮小で並べてみましたら どうも3.5インチみたいにも見えますね。

まぁ、どちらでもいいのですが気になりましたので追記しておきます。


おわりに

写真25 モデル1とかモデル2とか言われていますが、ホントの呼び方は何なのでしょう? とりあえず英語版の Wikipedia に出てくる名前で↑の表は作りました。 No.1 ではなくってモデル 1で、次がモデル2ではなくってモデル No.2 アーミーなのでしょうか? ちなみにドイツ語のWiki ではモデル 1ではなくってNo.1 となっています。

写真26 また、No3 の試作品にはチップアップ式やソリッドフレーム型もあったようです。

右は、おおむかし買ったムック本ですが内容は一級品です。


おまけ

マルシン分解図

マルシン分解図

実銃 No.2 分解図

実銃 No.2分解図

実銃分解図
(No.1 2nd Issue)

実銃分解図

むかしの広告

写真30