移行型?

写真01 写真02

実はこのタイプのホルスターを買ったのは2回目で、前回は右の本も共に売り飛ばしていたので今回は本と共に買い戻し大作戦です。 前回は買ったは良いけれどクレジットの払いに追われて、WEB 記事も書かずに売り逃げしたもので、すごく後悔していました。 このたび書籍と共に買い戻しに成功したので、しっかりと記事を書かせてもらいます。そのあとはまた売っちゃうかもしれませんが…。

前回購入した品物は書籍写真にあるように、かなりボディが色あせていたのですが、今回入手したものは ボディの茶色がかなり残っていますので、写真で見るとゴム引き布だと分かり辛いです。 おそらくあまり日の当たるところには無かった品物ではないかと思います。元の持ち主さんは早くに亡くなられて そのまま保管されていたのかもしれません。あまり使用感もありません。


分類表

あとに紹介しています参考書籍のホルスター分類を採用させていただいています。
10タイプ、11種に分類されていて、今回紹介の物は8番型になります。

製造年

写真14 ネットでの情報によると、このトラジションタイプはすべて昭和16年製となっているらしいです。 私の購入したものもそうでした。昭和17年からゴム引き布でのホルスターが製造されますので その前年のみに存在しているのでしょう。上写真の刻印は二度打ちされています。

私はゴム引きホルスターは、太平洋戦争の後半からの登場と思っていましたが 開戦直後からの登場だったのですね。当初から素材難もしくは南方向きでないことから考えられていたのでしょう。


外 観

写真05 写真06 写真07
写真08 写真09 写真10

裏の金具は漆塗りだそうです。柔軟性が求められるヒンジ部は革が用いられています。
また先端部も革ですね。 クリーニングロッド部分も革で細工されています。


マガジン収納について

佐山二郎 さんの素晴らしい本にあるように南部ホルスターには予備のマガジンが入れられるようになっています。 実際にやってみました。
写真21 写真22

左から実物、海外製レプリカ、中田製レプリカ。右写真のように本物のブロック部は6枚くらいの革の積層で作られていますが、 海外製はゴムで代用されています。中田製は本物とうり二つに作られています。


写真23 ですが中田のブロック部分はそぎ落としが少なくってマガジンは入れられませんでした。 結局入れることが出来たのは本物のみでした。かなり強く押し込まないと拳銃まで入り切りません。 使用したのはハドソン・モデルガンの1型です、2,3型は少し大きいので
きついかもしれません。

さく丈入れについて

写真24 写真25

写真33 ホルスターには、さく丈(クリーニングロッド)が入れられるポケットが付いているのですが、 海外製のレプリカにはポケットそのものが省略されています。中田商店製のレプリカには きちんとポケットが付けられています。さく丈とは右写真のようなもので いくつか種類があったようです。

ここに掲載の実物ホルスターには、きれいな真円の隙間ができているので、ロッドがずっと入っていたのではないかと 想像しています。


留め金について

写真26 写真27

上記分類表で言うと5型からバネ入りの留め具に変わります。 中田のレプリカでは、このタイプの南部ホルスターは作られていません。海外製を購入するしかありません。 右は昔の双眼鏡入れですが、海軍なのか陸軍なのかは分かりません。留め具部分は南部ホルスターと 同じ構造です。


写真28 写真29 写真30

この双眼鏡は秋山さんという方が使っていたのでしょう。コクサイというメーカーのようです。 バネ式留め具は、日本独自の物かと思っていましたが、それは間違いでかなり昔から西洋では採用されていたようです。


参考 WEB

どこが最初に作ったのかは分かりませんが、似たような留め金はイギリス、スイス、ドイツ、ロシアなどの 軍用に見られます。

写真32 写真31


14年式の撃針について

写真11 写真12

14年式拳銃のホルスターには、予備の撃針入れが付いていることをご存じでしょうか?
実は14年式拳銃は撃針がすぐに折れることが有名な拳銃で、この件は最後まで完全な解決は 見られなかったと思います。上の左写真は、日本軍の拳銃の書籍からですが、上から3個を ご覧ください。だんだんと撃針が短くなっています。最初はロッキングブロックにミゾもありませんでしたが 不発の多さから撃針の移動距離を稼いだ結果、だんだんとミゾが長くなっています。

写真13 また、一番下の写真はダブル・ゼロ と呼ばれる00刻印のテストプロダクトのようです。 軍でも不発問題は研究されていて、右写真のように撃針とシアのかかる位置がセンターではなくってオフセットされていることに 原因があるのではないかということで、センターに変更されたプロトタイプです。しかしそれでは解決しなかったようで、 このプロジェクトは無くなっています。下記に詳しいPDF がありましたので紹介しておきます。


撃針について・その2

写真15 私ごときが宣うのもはばかれますが、やはり撃針トラブルは銃の最後端でシアを掛けることに 起因するのではないかと思います。もっと他に方法もあったかもしれませんが、そうすると 原型製作者である南部さんの形から大きく変わっちゃうので、そこは遠慮したのではないかと思います。 すでに南部氏は軍関係の重要人物でしたので、南部式拳銃の改良にはあまりに違った形にはできなかっただろうと想像しています。

おまけ

写真16 写真17 当時の15連発というとんでもない容量を採用した試作品ですが、14年式になる試作型に負けたものです。 こちらの方がスタイルが斬新ですね、洗練されて見えます。

短い撃針やトリガーバーなど興味をそそります。ダブルカアラム、ダブルフィードなのでボルトが 幅広く作られています。迫力あります。

右写真は
Japanese Military Cartridge Handguns 1893-1945 
より


おまけ2

写真18 普段はカシメられているエジェクターやマガジン・脱落防止板バネまでバラされています。 エジェクターは右上にあります。

参考書籍

写真19 写真34 写真35
Japanese Military Cartridge Handguns 1893-1945
Harry L. Derby
Military Holsters of World War II
Eugene J Bender
新装解説版
 小銃 拳銃 機関銃入門
佐山 二郎
マニアは絶対買うべし そこそこ 安いので買おう