来た、見た、買った・・・見たなんてものじゃない、この手に握っているんだ。 あの高級品エランを。 でも写真に撮るとよく分からないのね、左から高級エラン、重いホビーフィックス、軽いCAW です。 全部ミリタリータイプです。
同じ並びですが、ホビーフィックスは材質が固いのか、スライド刻印が薄いものが多いです。
これらは全部オークションにて購入した中古品なので、オリジナル度は分かりません。
よって批判めいた話は、ここに紹介の個体に対してしか適用できませんので
お間違いないようお願いします。新品はどうなっているのか分かりません。
また、ここに紹介のエランは、いわばオールド・エランで2002年くらいの物です。
最近の製品は全然違うものなのかもしれません。
ホビーフィックス見分け方
また、ホビーフィックスはバレルが他社よりも飛び出ているので並べたらすぐにわかります。
この3個は全部ホビーフィックスです。真ん中がナショナルマッチですが、全部同じように バレルが飛び出ています。
エランの見分け方
実は、これと言って見分けるポイントが分かりませんでした。この時期のエラン製品には左のグリップを外すと アンダーライセンス・コルトの文字が刻まれているのでここで分かります。
登 場
ここに紹介のミリタリーモデルは、エランカタログのこのモデルだと思います。2002年製です。 ただし、カタログ記載のツートーン・フィニシュのような塗装は感じられません。ヘビーウエイトの地肌のようです。 オリジナル時からこうなのか、以前のオーナーが塗装を落としたものなのか、よく分かりません。
外観特徴
このころのエラン製品は、トリガーガードが薄いというネット上の書き込みを見たので各社比較してみました。 たしかに一番薄いですね。でも手に持つとよく分かりません。
写真は上からエラン、ホビーフィックス、CAW です。
また、トリガーガード付け根に切削跡が残っています。左写真は、左からMGC GM 5、エラン、CAW ですが MGC とエランに切削跡の形状が見られます。これは右の図面でいうところの半径コンマ56インチで フレームを削った跡なのです。ガーダーの真鍮ガバメントなどでも見かけますね。 しかし実銃のガバメント製品では、ここがツルツルです。おそらくサンダーをかけて 削っているものだと思います。
エランのフロントサイトは、半分から後ろが階段状に切り落とされたタイプです。鉄製です。 これは第2次大戦中の1943年857000シリアル以降に見られるものです。 エランさんのシリアルは適合しています。
重さ比較
エランさんの物は、ちょうどいい重さです。
ホビーフィックスさんは、すごく重いです。
CAW さんはプラスチック・モデルガンの標準です。
メカ比較
エランさんは、ファイアリングピンが取り出せないようになっています。 エランさんだけシア、ディスコネなどがスチール製です。
CAW さんの物は、ダミーモデルです。発火タイプではありません。 ここに挙げた3社のモデルは、すごく良く出来ています。本物そっくりです。
CAW さんのフレームにエランさんのスライドはキツキツで入りませんでした。ホビーフィックスさんの物は 入りました。また、エラン同士(レミントン刻印との)では問題なく入りました。
各社メカ特徴
エランさんのスチール部品、他にエジェクターもスチールです。右写真はホビーフィックスの ブリーチ部分です。プラスネジで止められていますので、ここを見るとホビー製品だとすぐに分かりますね。
こちらはエランさんのファイアリングピンを止めている細工です。また、フレームには微細な刻印も打ってあります。
左写真のエランさんのバレルは、仕上げが相当に荒いですね。オリジナルなのかよく分かりません。 右写真は、各社のバレルですが、ホビーフィックスさんだけが右上の実物のようにリンクが裏側まで回ります。 こうなっていると組み立てにくいのですが、きちんと実物を真似ています。 さすが、こだわりが半端ないホビーフィックスさんです。
作動調整
ここのエランさんは、セフティがうまく動きません。セフティをかけて2,3回トリガーを動かしてセフティを解除すると
ハンマーダウンになります。まるでベレッタ92 のデコックのようになります。
シアスプリングの折れ曲がりが、少し長くてフレームに当たっていましたので、ニッパーで切りました。
しかしセフティ動作に関係なかったようで、改善は見られませんでした。この現象は他社モデルでもたまにあります。
改善は今後の課題です。
この件は、解決しました。セフティ・オンの時にシアが動くから悪いのでシアの凸 部に0.5mmアルミ板を貼るとOK でした、が この個体には、現在売っているエランのシアを装着することで解決しました。今度別のページで調整について記述したいと思います。
どこのガバメントにも言えるのですが、シアスプリングの真ん中の板バネの角をすこしヤスリ掛けをすると良いです。 図面左下にも45度で少し削れと書いています。こうすると右上のディスコネクタとの滑り具合が良くなります。 特にCAW のモデルは、ディスコネが亜鉛なのでバネの角を削ることは必須です。なおかつディスコネの右上写真の部分を 平滑に仕上げてやれば、ディスコネが沈まずにスライドが引っ掛かる、なんてことは無くなります。
ここに登場のエランさんは、グリップセフティが全然効かなかったので、CAW のパーツと比べてみました。 左がCAW で右がエランについていたものです。すぐにわかるようにハウジングにかかる部分が太くって これではグリップセフティが上がりきらずにロックできません。そこで右下のように削りました。 CAW みたいに薄く削ってポロっと割れちゃったりしたら困るのでこれくらいでやめました。 それでも足らなかったので、あとはハウジング側を少し削ってグリップセフティがしっかり効くようになりました。
おわりに
写真はリアルマッコイ、エラン・レミントン刻印、エラン・ミリタリーです。2001年から2年の兄弟モデルと言えますね。
かつて六研と名乗っていたエランさんも、今ではきっちり高級品ブランドとして確立されたようです。 「六研 モデルガン」で検索した結果よりも「エラン モデルガン」で検索した方が多くのページに行き当たります。
また、最近は発火モデルばかりなので昔のモデルとは一線を画しているものだと思います。 いつの日か手にして発火してみたいものです。高いですが・・・。
感 想
写真は、各社プラスチックモデルガンたち。金属モデルと違って気軽に触れるので良いですね。
ここにあった文章はエランさんのご要望で削除いたしました。
人の迷惑にならないように記述したつもりでしたが、配慮が足らずに申し訳ありませんでした。
以後ますます気を付けますのでご勘弁ください。
参考資料
当ページに登場の図面は、こちらにあります。おそらくリバース・エンジニアリングで書かれた3Dモデルだと思います。
https://www.m1911.org/M1911-A1_REDUX.pdf
参考書籍
U.S. PISTOLS & REVOLVERS 1909-1945
米国アマゾンで30ドルくらい。ツートーン・フィニッシュやコマーシャル・ミリタリーなどのことも書かれています。 刻印オタクにはもってこいです。