オークションにてbnz刻印のモデルをゲット、今までKar98 モデルガンでは、タナカはCMC と同じbyf(モーゼル社)刻印の モデルしか存在していないと思っていましたので新鮮に思えました。
ストックは明らかに前オーナーさんによって塗装がはがされています。まぁ良い感じですが。
bnz 刻印
読みやすい文字で安全表記のSMG刻印がバッチリと入っています。タナカワークスを示す筆記体のTWマークも見られます。 bnz 43 は1943年製シュタイヤー製造を表します。右写真のようにcmc、タナカ初期製品はモーゼル社のbyf(モーゼル社オーストリア・オーベンドルフ工場)でしたが、今回の刻印は出来るだけ本物に似せた感じに仕上がっていてかなり本気度が高いです。
また、cmc時代と同じ書体でmod 98 と刻印がありますが、わたし調べではKar98 に見られるのは
ザウエルゾーン社とエルマ社製の物のみに見られるとのことです(書籍情報)。
シュタイヤー製にもこの書体が使用されたのかはよく分かりません。
フラクトゥール書体で書いてみました → 𝔐𝔬𝔡 98
ノー・スコープマウント
上写真のようにリアサイトにスコープマウントはありません。右写真のようにかつては、ガスガンと共にマウントの付いたモデルしかタナカには存在していませんでした。ストックもリアサイト部分にかけて一段削られています。
もともと実銃の世界ではリアサイトにマウントの付いているものは、ごく少数なので
歴史再現から言うと、この変更は歓迎されるものだと思います。
刻印検証
陸軍兵器局( HWA ) ヘーレス・ワッフェン・アムトの組織下にあり製造された兵器にはWaA 記号に数字の組み合わせで 会社名などが刻印されています。それによればWaA 623 、WaA 77、bnzはいずれも Steyr-Daimler-Puch 社の製造を表しています。
シュタイア・ダイムラー・プフ社は、車両系の総合会社でありましたが、その中の武器製造部門は現在の Steyr Arms であり、最近の有名な製品にSteyr AUG があります。日本語ではステアーと表記されることが多いようです。右写真はwiki より。
こちらを参考にアムト番号を検索しました。
https://military-history.fandom.com/wiki/Waffenamt_codes
参考資料
- 最初のモノクロ写真はこちらの本です。
モノクロ写真のみで正直あまり面白くはありませんが、そうとうな数が掲載されていて情報量は凄いです。Backbone of the Wehrmacht: German K98K Rifle, 1934-1945
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カラー写真の本は、Karabiner 98k Volume 2 A & 2 B ですが、今では売っていないようですね。私が購入したときは3冊セットでしたが、いまでは2冊セットのようです。倒れるくらいの情報量です。
https://www.thirdpartypress.com/
アムト検証
通常ここには、シリアルナンバーが見られるのですが、タナカさんのにはアムトまで刻印されています。 参考にしたモデルに打たれていたのでしょう。数字の8611はシリアルナンバーだと思いますが、イーグルマークに214 は、軍の検査合格マークのようです。
参考ページ
https://www.reddit.com/r/Mauser/comments/gmve2e/what_are_these_markings_theyre_numbered_214_and/
謎のストック
このモデルガンの機関部本体は間違いなく新規のタナカ製なのですが、ストックの方はひょっとしたら前オーナーがCMC の物と入れ替えたのかもしれません。ひょっとしたらオリジナルはスコープ用にストックに切り込みがあったのかな? そんなことは無いと思うのですが、CMC のストックの在庫が発見されたとか・・・。いずれにしてもバットプレートにはCMC マークが燦然と輝いています。
また、ストックのアムトマークはWaA79というでたらめな番号ですが、この番号はCMC 時代から変わらないものです。この番号をネットで検索してみたら、こちらの道具を使ったのではないかというものを発見。
こんなものも売っているんですね。URL は下記↓
https://www.waffenamt-shop.com/en/stamps-for-german-weapons-period-to-1945-/1224-orzel-luftwaffe-2.html
メ カ
ご覧のようにCMC 時代と全く変わっていません。ちゃんと発火用のバイパスも健在です。ただしこの個体には前撃針は 付いていませんでした。また、bnz 刻印の部分とリアサイトは、一体部分なのでマウント無しが最初からそう作られていることも分かります。驚いたことにエキストラクターが亜鉛製です。タナカの初期の日本軍ライフルに亜鉛製が見られますが、他はスチール製です。 CMC もスチール製でした。こりゃぁ、ちゃんと排莢できないかなと思って動かしてみましたが、シッカリと排莢されてビックリでした。使ったカートはショウエイのダミーカートです。
バヨネット
以前からCMC Kar98 のバヨネットラグは大きく作られていて、削らないとバヨネットが入れられませんでしたが、このタナカさんは どうなのか調べてみました。と、いっても以前のオーナーが手を加えているかもしれませんが。
写真のように上2個の実物は入りましたが、下二つのレプリカは、すこし小さく出来ていてきつくて入れられませんでした。
ちなみに装着しているものはチェコの銃剣で銃口にかぶる部分が存在しています。
レプリカは木グリップがウインドラスで下はメーカー不明です。
実銃写真
bnz 刻印の1943年 Kar98 の超ドアップの写真がたくさん掲載されていました。https://pre98.com/shop/thur-jan-30-german-ww2-mauser-k98k-rifle-bnz-43-steyr-hard-to-find-code-all-matching-mint-crisp-with-sling-copy/