写真00

Gun 誌 登場

写真01

ミロクさん自身のGun 誌 へのトイガン広告は、全長物が載っているものは、実は一回しかなくって(私調べ)、1977年10月号のみです。 モデルガン自体は、もっと昔から製造していたようですが、この年は昭和52年規制(smG)が実施されて急に売るものが無くなりフリントロックライフルの長物広告がこの号にたくさん登場しました。

ミロク製品の中でも特にハーフストックのおかげで銃身が多く露出しているホーケンライフルは、私の一番のお気に入りです。

こちらのページを参考にしました↓

http://www.gunshop-tohshin.com/miroku/miroku_1.htm


ホーケンって?

写真27 ホーケンライフルって、1820年ごろから70年ごろにかけて、ホーケン兄弟によって製作された一品物のライフルで 性能、品質が良いことで知られています。ひとつひとつが手作りなので、これといった決まった形は無いようです。 誰もが憧れる品質のようでルーズベルト大統領も持っていたそうです。

おおむねハーパーズフェリー・ライフルと同様の形をしていてハーフストック型が多いようです。 南北戦争後は、シャープスライフルやウインチェスターなどの連発銃にとってかわられました。

参考 WEB ↓

https://www.nrablog.com/articles/2017/9/the-hawken-gun-a-familys-contribution-to-the-evolution-of-american-arms


外 観

写真02 こちらに古ぼけたものと、手入れの行き届いたピカピカの物とふたつ用意しました。
奇麗な方は、ダブルトリガーでトリガーガードの形状も少し違いが見られます。
写真03 バレルは、鉄製なので奇麗なガンブルーです。右は錆びて茶色に変色しています。
写真04 トリガーガードもきれいな方には彫刻が施されています。
写真07 右下写真のようにラムロッドには、板バネのテンションがかかっています。リアサイトも普通に射撃が出来そうです。

時期検証

写真05 トリガーガード形状からどちらが古いのか調べてみました。

こちら1976年にGun 誌 がミロク精機製作所を訪問して記事にしたものですが、その中のホーケンライフル・キットの トリガーガードはひっかけのあるタイプです。


写真06 こちらは、1988年 7月号のコンバットマガジンの記事ですが、ダブルトリガーのホーケンが掲載されています。 トリガーガードは、ひっかけがありませんのでダブルトリガーの物の方が新しいのでしょう。

安全対策

写真08 バレルには穴がたくさんあけられています。また、機関部付近はバレル閉鎖後にフライスで切削されています。 閉鎖金属は超鋼でしょうか?色が違っています。溶接されています。

メ カ

写真09 バラしてビックリしましたが、機関部がコイルスプリングで、今までのミロク製品とは全く違っていて、近代化されています。 まるで本物のレプリカライフルのようです・・・
ってアメリカではミロクは本当に撃てます。
写真10 写真11

トリガーが二つあるのは、手前がセットトリガーで、これを引くとハンマーは落ちませんが、前方の本番トリガーが軽くなるというものです。が、このモデルガンでは何も役に立ってはいないようです。ただの飾りです。それらしい形はしているのですが、何かパーツが足りないのか、ちゃんと動いてはくれませんでした。


実物資料

写真12 写真13 写真14

写真15 写真16 写真17

レプリカのホーケンライフルの機関部は、みなコイルスプリングのようで、あれこれ写真や図面がネットで検索できます。 ほぼレプリカライフルは、パーカッション式が多いようです。

写真28 コイルスプリング方式はボブ・カーンさんが生み出したものとの記事がありました。↓

https://grrw.org/leman-trade-rifle/


実物写真

写真18 オークションでの写真なのですが、この個体は500万円くらいで売れたようです。すごいですね。

この写真のストックにある小物入れ=「パッチボックス」(patch box)は、ホーケンライフル特有の形で上下に開くヒンジを持ったものだそうです。レプリカ銃はどれも皆さん、左右に開く仕様です。


写真20 ネットで見つけた写真ですが、すべてパーカッションですね。No.5 がレプリカ品で他はオリジナルだそうです。

バレル固定はキーが1ヶ所もしくは2ヶ所で使用されているようです。

この写真のホーケンライフルは、ハーフストックばかりですが、銃身先端までストックのあるフルストックタイプもあったようです。



参考WEB

写真19 RIAオークションのページにホーケンライフルの解説記事があります。
是非ご覧ください。

よく似たレプリカ

ミロクに似ているのか、ミロクが似ているのかよく分かりませんが、ホーケンライフルにおいては、この形が レプリカ・ガンの一般的な形のようです。おおむね500ドルといったところのようです。

写真21 ネービーアームズ50口径

https://www.muzzleloadingforum.com/threads/navy-arms-hawken-rifle.161091/


写真22 ホーケン・ウッズマン 50口径

https://muzzleloadingandmore.com/product/50-caliber-hawken-woodsman-perc/


写真23 トンプソン・センターアームズ 45 口径

https://www.bidsquare.com/online-auctions/pook/thompson-center-arms-hawken-flintlock-rifle-2139039


バラシ失敗

写真24 ミロクホーケンを分解するときに、またやってしまった失敗行為です。真上に上げればいいのに 面倒なので(長いから)バレル先端を持って回転運動で機関部を外そうとしたら、写真のように ストックが欠けてしまいました。

この失敗は、以前にもミロクのフリントロック・ピストルでもやらかしたことがあります。 そうとうピッチリとストックが製作されていますので、こねたりするとすぐに薄いところが 剥げてしまいます。気を付けましょう。

写真31 ここのストックのカット具合が新旧で違いがありますね。

私のように剥がした失敗を考慮して、右写真のように新型では 大きく凹にカットされています。ここのストック形状を見れば新旧の区別もつきます。


おわりに

写真24 写真24 ミロク・ホーケンの紹介でした。初めはダブルトリガーの方が古いものだと思っていましたが、反対でした。

また、機関部のコイルスプリングにはビックリでした。あちらでは(米国)、本当に撃って遊ぶものだということを強く認識させられました。ミロクの中でこの銃だけがコイルスプリングなのは、実射する目的での購入が多いからではないでしょうか?

他のフリントロックは、長すぎて持ち運ぶのも大変です。だから家の飾りが主な役目だと思います。このホーケンはハーフストックでバレルも短く 撃つのに最適です。クラシックな形でありながら、現代の本物の銃の匂いをさせてくれるホーケンの紹介でした。左写真は、撮影しているといつも邪魔しに来る猫です。おかげで機関部に毛が写っています。


おまけ

写真25 写真26 なかなかに格好良いイタリアのデビッド・ペデルソリのレプリカの分解図です。

下記ページからPDF がダウンロード出来ます。

https://www.davidepedersoli.com/en/product/traditional-hawken-target-rifle-flintlock-model