両者ともにライフリングの無い滑空銃であるマスケット銃です。ですからライフル銃とは呼べません。
両方とも歴史に名を遺す名銃です。
ブラウンベスは、イギリス製で1720年ごろから1840年ごろまで100年以上も使われました。
フランスのシャルルビルも同じころ、1917年から1840年ごろまで同じ期間くらい使用されました。
両銃共に米国の独立戦争や南北戦争など多くの戦場の敵味方どちらにも登場します。
外 観
やたらと長いので写真を撮る場所も大変です。外で撮影していますね、大変だったでしょう、有難うございます。 屋外だと家族やご近所さんの目も気にしないといけませんね。上がフランスのシャリーベル、下がイギリスのブラウンベス、をモデルにしたミロクのモデルガンです。 フランスの方は、その後の軍用銃のスタンダードとなるバンドによってバレルとストックが結合されています。 イギリスの方は、今までのようにピン留めでしょう。
機関部
きちんとフリント(石)をくわえていますね。オーナーさんの愛情が感じられます。デニックスのモデルガンはよく石をくわえていますが、ミロクの物は付属していません。 自分で用意するしかありません。
右のイギリスの方は、王室を表す王冠マークが輝いています。機関部の後ろの方にタワーと書かれていますが それはロンドン塔の事で、あそこに昔は武器貯蔵庫があったようです。 王冠やタワーの文字がイギリス人の誇りを感じさせます。 日本の小銃に菊の御紋があるような感じでしょうか?
左のフランスのシャリーベルって言うのも土地の名前だそうで、そこにはやはり大きな武器倉庫があったそうです。 そこの武器庫から出てきた小銃なのでその名前になったのでしょう。
フランス語の綴りです
Charleville-Mézières
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シャルルヴィル=メジエール
両方とも石をくわえているのに受け皿にこすった跡がありませんね。オーナーさんは大事に扱って おられるんでしょうね。素晴らしいです。もしも作動させたら、右写真の例のように受け皿はすぐに傷だらけになっちゃいます。
写真下側のイギリス、ブラウンベスの銃身には、モデルガンの自主規制である王冠マークが見られます。
木ストック
木部はどちらも素晴らしくきれいです。特にブラウンベスはトラ木のような模様で素晴らしいです。
また、ブラウンベスの方は、中間が太くなっていて加工が大変ですね。
どちらのストックも一本もので材料も高価だと思います
(ミロク・ケンタッキーは、ほとんどの製品がつなぎストックです)。
ときおりネット上で素晴らしく奇麗なトラ木のミロクを見ることがありますが、たいていこの2丁です。 ミロクにとってもこの2丁は特別に 良い材料を使用しているのではないでしょうか?
ラムロッド
左写真の銃口のように両方とも滑空銃ですのでライフリングは無くて正常です。
ロッドも省略せずに実銃のようにたいへん長いものが装備されています。
シャリーベルの長い方は110cmもありますね。
今の時代から見れば、ライフリングが無いと射程が短くて不利だと思われますが、当時の先込めの時代では ライフリングがあると次弾装填に時間がかかり実戦では滑空銃の方が利点があると見られていたようです。
のちにミニエー弾が登場してからはライフルの方が圧倒的に射程がありますので使用されるようになっていきます。
ミニエー弾は弾頭の後方が空間になっていて発射ガス圧で弾頭が広がりライフリングに食い込むようになっているため
装填時は簡単に銃口から入れることが出来たようです。
挿し絵はWiki より↓
https://en.wikipedia.org/wiki/Mini%C3%A9_ball
シャリー実銃写真
フランスから輸入してすぐに国家財産であるのでUS刻印が打たれています。
https://www.gunsinternational.com/guns-for-sale-online/rifles/antique-rifles---1500-1850/revolutionary-war-antique-french-charleville-model-1763-66-flintlock-musket-u-s--surcharged-french-musket.cfm?gun_id=101845360
ブラウンベス実銃写真
英国のオークションページより引用。
https://www.chiswickauctions.co.uk/auction/lot/152-a-short-land-pattern-brown-bess-musket-late/?lot=69424&sd=1
再現銃
イタリア・リプロ実銃会社 PEDERSOLI のラインナップに分解図などありましたので掲載しています。
何でも揃うイタリアの銃器屋さん DAVIDE PEDERSOLI
https://www.davide-pedersoli.com/en/
おわりに
匿名様より写真をいただきページを書かせていただきました。
すごく長い銃なので写真を撮るのも大変だったと思います。
たいへん有難うございました。
おかげさまで貴重なものがを見ることが出来ました。
これに懲りずに、また何かありましたら是非お願いします。