ハドソンのカタログからです。やはり、共産圏のイメージは赤なのでしょう。
AK-47 はタイプ1、2、3が有り、ハドソンさんは最も多く生産されたタイプ3をモデルガン化しています。
AK の進化をトイガンに見る
ガスガンのAKMと比較しています。最近の海外製エアソフトガンは、素晴らしい出来栄えでモデルガンも かないません。削り出しのAK47をプレスで製作できるように改良したものがAKMです。上のガスガンのフレームがプレス品になっているのが判ります。
また、AKM はストック角度を見直し、バレルと一直線上に配置し直銃床化を果たしています。またマズルブレーキも上方を切り欠き 角度を付けています。それらの違いもこの写真で見て取れます。
うんちくですが、もともとAK 47 は最初からプレス加工の製品でしたが(タイプ1)、製造がうまくいかずに仕方がないので 最初のころは削り出しで作られたようです(タイプ2)(タイプ1の詳しくは下記でどうぞ・・・珍しい写真がたくさんあります)。
https://www.athlonoutdoors.com/article/ak-47-type-1-rifle-test/
登 場
登場は、52年規制(1977年)後の1980年です。
当時、どこも作っていなかった共産圏のライフルで会社の意気込みが感じられます。
面白いことに、この号の巻末には台東商事が独占販売と広告しています。台東商事ってたぶんMGCですよね? 何かの提携関係を結んだのでしょうか?
下の方の紙箱の記事にも記載しているようにブローバック特許使用の関係かもしれません。
ご先祖様?
高級鉄製長物モデルガンを作っていたミコアームズさんからAK47が発売されるという1977年2月号の広告です。 試作品と思われる写真の上には設計図が載っています。このAKは、発売されなかったと記憶しています。 すぐに52年規制がやってきて鉄製の長物自体が製造販売できなくなりました。
この設計図がハドソンの元なのではないでしょうか?なぜならこれ以降、御子柴さんの設計でハドソンから長物やハンドガンのローマンなどが発売されていったからです。
追記 手書き図面
CAW の社長様より写真をいただきました。有難うございます。
ハドソンの金型を引き受けた時に一緒にもらった手書きの図面だそうです。誰が書いたとは、分からないとのことですが、もしかしたら御子柴さんかもしれませんね。
ちなみに社長談によりますと御子柴さんはすでにお亡くなりになっているそうです。
今日は、ちょうどお盆なのでこちらに帰ってきているかもしれません。
図面を見て喜んでくれるといいですが。2023年8月14日
1977年・上六の広告
ミコさんが広告した1977年2月号の、上六ガンホビーの広告です。モデルガン絶頂期の鉄製長物の時代をよく表していますね。この中にミコアームズのAKやミコのガーランドが載っています。 また、六研のSKB上下二連なんてのもありますが、こんなの発売されたのでしょうか?私の記憶にはありません。 こんなに謳歌していたので新たな規制も起きてきたのでしょうね。
外 観 比較
AKM ガスガンが非常に良く出来ているので、ハドソンさんと比較してみたいと思います。 ただし、あれもこれも省略されているじゃないの・・と言わないでください。ハドソンさんが発売された1980年時点では共産圏の ライフルなんて謎だったのです。まして量産モデルガンでは存在していませんでした。かたやガスガンは2020年ころに購入したものでハドソンさんからは、40年も時間がたっています。
写真のようにハドソンのAK はエジェクターが別部品として取り付けられています。ここが外観で実銃と大きく違うところです。 ガスガンは当然エジェクタなんて必要ありませんので何もありません。ハドソンさんのマドセン・マシンガンでもエジェクターは同じような処理がなされています。鉄でボディを作れないのでエジェクター部分は亜鉛モデルガンの共通の泣き所です。
右はハドソンです。
メ カ 比較
写真左のようにガスガンではピストンが再現されていますが、ハドソンさんはボルトとリコイルスプリングだけで構成されています。
ガランドやM14 のようにピストンの内側にスプリングを通すという同じ方式ですが、AK はずいぶんスマートに仕上がっています。 なかなか洗練された設計だと思います。
実銃では右写真のようになっています。
ボルト 比較
左はネットから取ってきた実銃のボルトです。エキストラクタがでっかいですね。さすが軍用銃って感じがします。 右のハドソンさんは、ピストンを省略したのでコッキングハンドルもボルトに付いています。向かって左側にエキストラクタ、 右に発火用のセンターをずらしたファイアリングプレートが見られます。
本物はピストンとオペレーティングロッドが一体でコッキングハンドルもそこに付いています。それに回転ロック式のボルトが ぶら下がっています。
図の引用元は下記です。素晴らしいイラストが数多く揃っています。
https://sav020898.artstation.com/projects/Xn084l |
刻 印
ハドソンの刻印と共に三角形に規制合格マークのsmG記号が見られます。
この三角形は、本物の生産工場の イジェフスク機械工場の三角形に矢印マークが元だと思われます。右写真はシカゴレジメンタルさんのブログから借用。
http://regimentals.jugem.jp/?eid=3000
刻印 参考ページ
詳しく解説してあるページを見つけましたので紹介しておきます。
https://www.thefirearmblog.com/blog/2014/12/04/field-guide-reading-kalashnikov-markings/ |
Sタイプ
年代は調べていませんが、フォールディング・ストックのモデルも発売されたようです。 写真はアンクルさんから拝借しました。
右はハドソンのカタログからですが、フォールディングストックの方が 3,000円 お安くなっています。
このカタログの表紙はマッドマックスなので1983年ころの物ではないでしょうか?AK 47 のカートの形状が2期に
なっていますね。
スペシャルエディション
2004年10月号のGun誌 にスペシャルエディションが新発売になった広告が載っています。 そうとうに変更されていて、以前のモデルとは全然違うものに生まれ変わったようです。
同号に新見さんの詳しい紹介記事が4ページにわたって掲載されています。
その中で「今回は200丁の限定生産」と書かれています。やけに少ないっすね。
カートその1
発売当初は、このように紙火薬用のオープンカートだったようです。
モデルガンのカートの方がネックダウンしていないので、かなり長く見えますが、同じ長さのようです。
カートその2
時期は分かりませんが、途中でピストンファイア式に変更されています。形もネックダウンの形状に改良され、本物のカートっぽくなりました。上記のカタログによると1983年には既にこの形に変わっています。
カートその3
最終のSE型では、ダブルキャップ式になっています。と、思っていましたら98年の広告にダブルキャップのことが書いていましたので SE型 登場よりも前にカート形式は、変わっていたようです。 Gun 誌 1998年2月号ハドソン広告
紙 箱
ロシア語らしき文字が書かれた雰囲気バッチリの紙箱です。ブローバックマークがMGC の物ですのでパテント使用に関して 販売提携が結ばれたのかもしれません。
wiki によると
ソビエト連邦軍における制式名称は「7,62-мм автомат Калашникова」
となっていますので、ハドソンさんは、オーを書き忘れたのかもしれません。
バヨネット
おそらく中田商店から発売されたと思われる真鍮製バヨネットです。右下写真のごとく刃は真鍮にメッキが施されていますが、ハンドルなどは実物のようです。取り付け部は鉄製ですのでモデルガンに装着すると若干傷が入ります。
このようにAK47 には、もともと着剣装置が付いていません。ドイツのMP44 も試作機にはあったのに製品版では省かれました。もう白兵戦なんか無いでしょう、との発想でしょうか?しかし、現代では着剣ラグがある小銃がほとんどです。使うことは無いでしょうが、兵士の精神的安定さを考えているのかもしれません。
ロシア軍団
我が家のロシア軍団です。カラシニコフさんの設計ではないのでしょうがドラグノフも同じような形をしています。 写真左は上からハドソン、AKM ガスガン、AK 74電動ガン、エアコキ・ドラグノフです。
写真右は、左からダミーカートでM-16 用 5.56o弾、AK 74用 5.45o、AK47用 7.62x39、ドラグノフ用 7.62x54R。 ドラグノフの弾は、むかしのモシンナガン小銃の弾なので、2次大戦後から現在に至る小口径化が見て取れます。
ご先祖様と
AK 47やM 16 はアサルトライフルという小口径弾薬を使う仲間ですが、そのご先祖様は2次大戦中にシュマイザーさんが開発した MP 44 と言えます。右写真のようにAK のカートは、7.92 クルツ弾によく似ています。写真のクルツ弾はショウエイのモデルガン用カートです。左写真のモデルガンは、ハドソン、デニックス、マルシンです。
MP44 のように銃身の上方からガスを導き作動させること、ピストルグリップの採用、直銃床で反動を軽減させること、その結果サイト位置が高くなることなど
この3機種はよく似ています。また、M16 では排莢孔のフタやヒンジ式の機関部、ストックにまで伸びた、リコイルスプリングなども
よく似ています。AK の当初のプレスボディもMP44 と同じです。カラシニコフさんもストーナーさんも、MP44 からヒントや
インスピレーションをいただいて開発したものだと思います。いずれも名だたる名銃、名設計者だと言えます。
今の世では物足らない造形ですが、当時としては画期的な製品であったハドソンさんのAK 47 の紹介でした。 こうやって本物ではないにしろ世界の名銃を手に取って眺められるのは、有難いものです。メーカーさんに感謝です。