まぼろし中の幻、MGC のGM-3 です。はじめて手にしました。
プラスチック製のGM-2 の金型を使用した金属製との事は知っていましたが、本当にGM-2 のまんまでした。
右側のマガジンキャッチを見ると、これがGM-5 では無いことがすぐに判ります。
リコイルハウジングは、ストレートのミゾですね。
迫力あるうしろ姿です。
写真の木グリは純正でしょうか?素晴らしい出来栄えです。
GM-2 と比較
右にあるのは、GM-2 ニッケルメッキ仕上げです。
全く同じ形なので持たないと判りません。
写真を撮っている最中に、金属製と間違えてGM-2 を持ったら10cm くらい腕が飛び上がりました。
力が入っている割に軽すぎたためです。人間の体っていうのは、眼からの情報で予測して力を入れているんですね。
プラ製のGM-2 は、スライド前方に必ずヒケ がありますので、ようく見ると判別できます。
GM-1 と比較
GM-1 に比べると、ずいぶんスマートになりました。GM-1 は、頭でっかちな感じがします。
トリガーガードも大きくなっているようです。
両方ともグリップフレームは同じ長さで、実物マガジンは入り切りません。グリップは互換ありです。 実物パーツは使えませんという、MGC のポリシーでしょう。
GM-3 は、持った感じ、なんだか重たいです。試しにGM-1 と比べて見ましたが100gほど重いです。
ブローバック式プラ製のGM-2 の肉厚は、補強のために厚く作られていたことでしょう。
そのまま金属製にしているから、各部が
肉厚で重いのだと思います。
ミリタリー拳銃は、飾りも全く無くって、物言わぬ迫力があります。
メカを見る・・ってアレ?
スライドをバラそうとしましたが、ブッシングが回りません。アレッ??
コノヤロー!と、力を込めても回らないじゃないですか。ど、どうなってんの? と思ったら
反対回りでした。こりゃ難解でした。ここを弄らせたら、GM-3 を触ったことがないことがすぐにバレますね。
実物とは大きく変更しているGM-2 と違って、こちらはごく普通のメカです。ディスコネクターはGM-2 方式でハンマーの隣にプレートがあります。 GM-3 は、スタンダード仕様しか存在しません。したがってバレルもリンク式です。
今回は、超貴重品なので、これ以上はバラしていません。
右がプラ製のGM-2 ですが、バレル関係以外はご覧のように全く同じ形です。モデルガンのガバの スライドストップは折れる危険があり脆弱な部分ですが、GM-2 では極太の物に設計され、フレームにも、 はまり込むほど板圧も厚くされています。GM-3 のフレームも全く同じ形に出来ています。
試しにスライドを入れ替えて見ましたが、上のプラフレームに金属スライドは、入りましたが、 金属フレームにプラスライドは入りません。おそらく鋳造時に収縮したためだと思います。
↑クリック拡大します。
ブローバックを目指す?
バレルのリンクは2枚重ねです。将来はブローバックを目指していたのかもしれません。
その証拠にGM−2と全く同じメカが組み込まれています。
ディスコネクターもちゃんと装備されています。
ディスコネの仕組みですが、実にシンプルに考えられています。
ハンマーの右側にある凹みにディスコネクターが配置されていて、ハンマーダウンとともに
ディスコネが押し下げられてトリガーバーが下げられてシアとの連結を断ちます。
その後トリガーを緩めるとトリガーバーは板バネに押し上げられて元の位置に復帰します。
写真のディスコネの向きは反対向きでした。丸く出っ張っている方が後方です。
KSC と比較
最近よく見られるKSC 輸出用のガバと比較しました。
話に聞いていましたが、スライドはGM-3 そのまんま、フレームは新規の物です。
マガジンキャッチやプランジャー部など、KSC のフレームは実銃を良く再現しています。
平成になっても生き残っているGM-3 って感じです。両者は、マガジン、グリップが互換ありです。
右がKSC のスライドですが、GM-3 の発火プレートの部分を完全に埋めてしまっています。 海外でのモデルガンは発火機構があってはいけないようです。GM-3 の方は、GM-2 と同じプレートが入るように作られています。
KSC にGM-2 のプレートは全然入れられません。したがってKSC は、排莢あそびも出来ません。
※海外事情通の方から連絡いただき追記しています。
海外のトイガンはブランクガンなどセンターファイアなので
日本産モデルガンが、勝手に撃発機構を省略しているのではないかとのご意見いただきました。有難うございます。
たしかに、そうなのかもしれませんね。なんたって世界一厳しい日本の規制でしょうから、胸を張って輸出できるようにするには、
まずは国内をクリアにする必要があったのかもしれません。ということは輸出のための国内向けの処置なのかもしれませんね??
カート
ごく普通のカートです。ブローバック式ではないので穴も浅いです。
HF と比較
平成の名品ホビーフィックスと並べて見ました。GM−3 も負けちゃあいません。
GM−1 のころは、ずいぶん短かったようですが、GM-3 は、長さ的には遜色ないですね。
グリップは前述のように短いです。
紙 箱
大変珍しい箱写真です。モデルガン讃歌 の papa さんのブログからお借りしました。有難うございます。 下に置いてあるブルーの箱がプラ製のGM-2 の箱です。GM-3 もデザインは同じですが背景が白い箱です。
2022年追記です。 最近知ったのですが、当時MGC GM-2 のブローバックが薄青色でGM 2スタンダードは、白背景でした。 GM 3と同じデザインにプラスチック・スタンダード と書かれていました。白い背景色にスタンダード・モデルの意味合いがあったようです。
チラシ1
掲示板にて「とおりすがり」さんより当時のチラシを投稿いただいたので借用させてもらいました。 有難うございます、はじめて見ました。52年規制の少し前だから1976年ごろでしょうね。
チラシ2
ひさ くにひこさんのイラストが載っているチラシからの写真です。
匿名様から取説のコピーを頂きました。
有難うございます。
クリックすると別画面にPDF を開きます→
大変珍しい?チラシを入手しました。スライド後方が高くなっているんですね、初めての再現だと誇らしく謳っています。
GM1〜3掲載
規制直前のMGC カタログには、GM 3とGM 1コマンダーに、プラスチック製のGM 2 が載っています。一同整列
今回登場したガバたちでした。
GM-3番外編KSC モデルを書きましたのでこちらもどうぞ見てください。
オーナー様、貴重な物を貸していただき有難うございました。
一部ヒルツさんよりの写真を使用させていただきました。貴重な写真を有難うございました。
GM-3 とP-38 MJQ は両方とも52年規制直前に発売され、一年ほどで銃身分離型規制のため発売禁止になったので、どちらも数が少なくMGC の幻の逸品といわれています。
今回、触らせていただいた私の印象では、GM-3 の方がよく出来ているなぁ、と感じました。スタンダード・モデルですからちゃんとショートリコイルするし、非常に頑丈そうです。まさに銘品を感じました。
刻印違い・追記
こちらは、正規品でコルトの名前があります。モデルは、下の実物写真のように プレ・ウォーモデルのようです。
こちらは、輸出用のGM 3 刻印モデルで下のMGC GM 1 の最終型と同じものが入れられています。 写真下が、セレーションのピンで分かるようにGM-1 の最終型です。
おまけ分解図