昨年末でとうとう店を閉じてしまったハドソンのMGC・PPK1型コピー品です。
おそらく1966年ごろの物だと思います。フレームは適当な物です。
刻印はマルゴーと同じ物です。えっ?じゃぁ、どこがハドソンなのかって?
そうなんです、ここにハドソンの刻印が打ってあるのです。
ハドソンは、MGC よりも1cm大きくした実物大のPPK コピーを作っていました。 それもセフティ逆作動なので、同じ時期です。ですので同じ時期に1cm大きな物と、このMGC 完全コピー製品が存在していたことになります。ナゾです。
仮説1
私なりに考えたところ、 刻印が打ち込み式なので、おそらく別のメーカーが作った製品を供給してもらって、 ハドソン刻印を打って販売したのではないかと思います。
MGCの1型コピーは、マルゴーも売っていました。想像ですが、マルゴーは商社なので 製造は行いませんからスズキあたりで作られたものではないでしょうか?
そうしてこれを参考にして1cm大きな実物大を製作したのではないでしょうか・・?
上がMGC製品です。まったく同じ形です。
仮説2
1cm大きなPPK は、ホンリューブランドで販売されていました。
ところが、ホンリューが倒れてしまって金型も抵当に取られてしまい、PPK が製造できなくなり あわてて他社製品を仕入れて刻印を打ってハドソンとして販売した。
当時PPK は、大人気商品でしたので欠かすことは出来なかったと思います。
上面もまったく同じです。
中側も同じつくりですが、セフティの形状やエクストラクタの形状にほんのすこし違いが見られます。
紙 箱
数年前にオークションから取ってきた写真です。ハドソンの表記がHUBDSONになっています。
セフティ逆作動のナゾのPPKの紹介でした。
このころのブローニング住民票の一件でMGC 潰しが始まったころで、各社がこぞって MGC 製品のデッドコピーを売っている時代でした。その製品群は、金型が同じ物も存在して いるため、各社の製品を区別することがたいへん難しいです。 それはそれで、混乱期のことがしのばれます。
ちょっと気になるのが、当時から50年経っていますが、いまでもトイガン業界に 一体感が無いことです。組合も乱立しています。こんな環境で再びの規制がもし起こったとき、誰がユーザーの権利を守ってくれるのでしょうか。
今のトイガン文化を守ったのは、各先輩方が裁判に動いたおかげだと思っています。 時が経ち、いまでは当時の先輩たちの年齢になってしまった自分が、はたしてトイガンを守る行動を起こせるのだろうかと自問自答しています。
たいへん貴重なパーツを譲っていただいたオーナー様、有難うございました。