
匿名様より写真をいただき記事を書いています。貴重なものを有難うございました。
便宜上ハドソンのコーナーに書いていますが、本当はホンリューという会社から発売されていたものです。
ホンリュー・モーゼルをハドソンが引き継いだのでハドソンのコーナーに載せています。
MGC と同じくセフティは、実物と逆操作で写真はセフティ・オンの状態です。

機構的には、MGC のPPK 一型のフルコピーですが、MGC が実物よりも1cmくらい小さいのに対して ホンリューのPPK は実物大で作られていました。
やたらと厚いトリガーガードとスライド後端の丸っこさで判別できますが、MGC との区別には リアサイトが少し前進して戦後版PPK の位置にあることで分かります。
登場

ホンリューは、もともと洋書輸入販売などをしていたようですが、カーレースなどいろいろな事もやっていたようです。 Gun 誌の広告を見ると1963年3月に洋書の広告が載っています。その頃は本流株式会社と、漢字表記です。
以前いただいた本流(株)で作っているカタログから推察すると、1961年か62年くらいからモデルガン販売を始めているようです。
MGC のブローニングの乱で業界が二つに割れた1966年からモデルガンの製造にも乗り出したようで
66年6月号にはPPK の広告が掲載されています
(実は、その前の製品であるホンリューモーゼルが本流製だという
証拠は持ち合わせていませんので正確に製造しだした日付は分りません)。
1967年8月号からは、広告が見られなくなったので会社は無くなっちゃったようです。 ホンリューモーゼルのほうは、ハドソンが引き続き販売し長いこと売られていましたが、このPPK は、そのまま 無くなっちゃったようです。ですからPPK は1、2年しか作られていなくて、たいへんレアなモデルと言えます。
大きさ比較

MGC の初期型PPK が左でその丸ごとコピーが右のホンリュー製です。
ホンリューのほうが約1cmほど大きくて
実物大です。

大きさがほぼ同じなので、CMCと並べても遜色ありません。
第二次大戦時のPPKは、スライド前方のカットが急勾配で、この両者は良くコピーしています。
実銃サイズの大戦中PPK モデルは、この2種類しか金属モデルガンでは存在しません。 MGC 3型は実物サイズですがスライド前方のカットが戦後版です。
刻 印

右の実物写真は米国オークションより借用、クリック拡大します。

本体は、MGC よりもぐっと大きくなっているのにマガジンはそんなに変わらなく小さいので 下から見ると不相応にグリップフレームが余っています。

MGC 1型マガジンと並べてみました。左がMGC です。ホンリューの物は1,2mm MGC よりも大きくなっています。
メカニズム

基本的には、右小写真のMGC のタニオアクションのフルコピーですが、面白いことにプレートが外れないようにワッシャーで止めていることです。
これは、MGC PPK の2型にみられる機構と同じ方法です。ホンリューPPK が売られていたころには、MGC 2型PPK はまだ 存在していませんので、この部分はのちにMGC 2型パーツを使用してレストアされたものだと思います。 また、ほかの個体ではMGC 1型 と同じ形なのは確認しています。

左側バラシ状態です。

エキストラクタ部分、MGC と全く同じ形です。
この状態でセフティはオンです。すなわちレバーは上がっています。
豪華紙箱

たいへん豪華な紙箱です。箱の横にはHONRYU と書いてあり、ホンリューからの発売だったことがわかります。
広告各種

1966年5月号のGun 誌、中田商店の広告です。
リアサイトが後端に無いことと刻印から、ホンリューのPPK だと判別できます。
ブローニングの乱で袂を分かった高級玩具連合は組合を作り他社の製品も販売し合っていましたので
この広告のように各社製品がずらりと並んでいます。上にはコクサイ・チーフ、マルゴーブローニング、右はCMC 初代SAA です。
1966年11月号広告

1966年11月号のGun 誌に掲載された広告です。
左上から中田 P-38、マルゴー?ブローニング、ホンリューPPK 、INT(コクサイ)チーフ1型
右は上から中田ルガー、INT センチニアル、CMC ガバメント、INT チーフ1型・シルバー、CMC SAA です。
65年の業界分裂から1年ほどしてMGC追撃態勢が完全に整っています。充実したラインナップになっています。
クリック拡大します。
1971年・中田カタログ

1971年の中田のカタログには、マルゴーとホンリューのPPK 写真が掲載されていますが、 左のマルゴーの方にしか値段はついていません。すでにホンリューは会社がなくなっていて製造中止になっていたと思われます。 ちなみにホンリューPPK の下に写っているホルスターはベレッタ1934 用の物です。